すんみなんれたぁ♪

2014年10月18日土曜日
東京地方、穏やか晴天。
先日、母猫に引っ掻かれた傷、やっと痛みが消えて傷口も固まってきた。全治1週間ってとこだったかぁ。一昨日迄は何かに触れると「痛ぅ」と指先から力が抜けてしまうような状態だった。ゴルフの練習のスケジュールが大幅に狂って来週明け以降始めざるを得ないのが少し残念。

これ…1週間程前だったかな?新日本ハウスの営業のおじさんが訪問してきて手渡しされたチラシ。まぁ挨拶代りということで…ってな話を短く聞いて…ドアを閉めて再度チラシに目を落としてから丸一日程、頭の中でズ〜っと「すんみなんれたぁ〜♪わんがやんにぃ〜♪リフォーンムゥしようよ〜ん♪」という例のCMソングがグルグル回っててスゲーな新日本ハウスのCM!って感嘆しきりだったわけで。一度聴いただけで印象に残るというのが主眼だとすればバッチリですよ。ってこの曲「Dream」って曲名なのね、これは知らなかった。
さておき、このチラシを貰った翌日ですか…飯田橋にある「ギンレイホール」って映画館で「タクシードライバー」を観てきたわけです。これは、初めての体験であり、たっての希望だった。自分が子供の頃の、この時代の映画って、なかなか映画館で観る機会無いですから。いやぁ、映画観てる間も「Dream」が頭ん中で鳴ってたらどうしようか?とか少し心配しながら、ははは。

館内にはポスター。カッコいい。
いや、素晴らしかったなぁ。映像は勿論だけど音が素晴らしかった。「こんな音あったっけ?」ってのがポツポツ、特に高音。少し前に友人とこの映画の話をしたんだけど、やはり…あのラストってどんな?って話になったので…以下、ネタバレありつつ。途中をすっ飛ばしてラストのみツラツラと思うままに。銃撃戦の後、自分の頭に指を向けて引き金を弾く動作…。景色が切り替わりアイリスは解放され両親の元に戻り、病院らしき場所のベッドから見える角度の壁には両親からトラビスに感謝する手紙、銃撃戦の新聞記事スクラップ等が貼ってある。で、トラビスは回復してタクシードライバーに戻り…とあるのだけど、そもそもトラビスは死んでるんじゃないか?というのがひとつ。もしくは意識不明のまま、病院のベッドで眠り続けてるんじゃないか?というのもある。回復してタクシードライバーに戻ってる姿が妄想や夢ではないとすると…ベッツィが乗り込んできた後、ミラー越しにしか彼女を見ないのは何故か?というのも。今で言えば「俺は持ってる」のに誰にも認められず、誰ともコミュニケーションを取れず、理不尽な理由で銃で人を撃つのは許されてもドラッグや売春は認めずという不可思議な自己規律で自分を正当化する…等、完全に歪んでいる銃撃戦以前のトラビスの表情と比べると、あれだけ撃たれた後に回復して「少女をギャングから救って英雄視される」=社会に認められた後のトラビスの穏やかな表情。これは何を意味するのか?とか。それからベッツィを降ろした後にタクシーで街を流している時の歪んだ景色はなんなのか?ラスト、音楽が一瞬「歪む」、歪んだ直後にバックミラーで何を凝視してるのか?
など…個人的には観返す度に受取り方が変ってもなんら問題無いと思うし「これはこうだ」と解を出す必要は別段無いと考えつつもやはり気になる。異常な人間が社会に認められ受け入れられたことに因り正常になったと思いきや、まだまだ分からないよ。ということなのか?全編通して素晴らしいのですが、なにしろパランタイン暗殺の失敗を挟み、スポーツ(ハーヴェイ・カイテル=ダイヤモンド・ユカイにしか見えない)と絡む辺りからのロバート・デニーロは…もう完全にトラビスがトラビスとして生きてるとしか見えない。スゴい。あらためて後味は悪いし暗いし…感動する要素がストーリーとしては皆無だけど魂を鷲掴みにされてグラグラと揺さぶられる素晴らしい映画。

で…観終わった後、映画館を出る際、入口のスケジュールが書かれた看板、これ文字屋さんが書いてるんじゃないの?雰囲気出てるなぁ…と感心。いや、スクリーンに赤い文字が浮かんだ辺りから「Dream」は吹っ飛んでしまったな。帰りの道でも頭の中はタクシードライバーの劇中音楽が鳴るばかりだった。
あ、そうそう、余談ながらベッツィと映画を観に行く約束を取付けたトラヴィスはいきなりエグいポルノに彼女を連れて行って絶縁されてしまうのだけど…普通なら「これは嫌われて当然でしょ、馬鹿だなー」とか「こんな映画しか知らないなんて…どんな生活をしてきたんだ」とか哀しさすら感じるのかもしれないんだけど…「なんで?なにがいけないのか?」と完全に自分の行動が間違ってないとする彼の姿に少しゾッとした。(ポルノは極端な描写としても)程度の差はあっても意外に多いよ、こういう人。
#93(映画館)