アキ・カウリスマキ

2015年3月30日月曜日
東京地方、ヒジョーに暖かい。


哲学堂の桜、ほぼ満開。
アキ・カウリスマキ、この映画監督の名前を教えてもらって最初に観たのが「ル・アーヴルの靴みがき」で記録を遡ってみると…去年、6/19のエントリに入ってた。次に観たのが「街のあかり」で11/14のエントリに入ってた。その後…レンタルにボックスセットが丸ごと出てるのを発見し…昨年末からかな?8枚全て2作入りのDVDをコツコツと借りては観続けた。少し前にレンタルに出てるものは全作品観終って、なかには二度観たものもあり、記録しておかないと…思いつつ今日に至った次第。いつものように観た映画の個人メモなので作品解説や細かいストーリー等は省くとして…ザッと書いておくと多くの作品の根底に共通して存在するのが社会の底辺(あまりこの言葉は使いたくないけど)で逞しく生きる人々への優しさや暖かい眼差し、じわぁっと染み込んでくるユーモア、フィンランド語がわからないのが残念ながら字幕からでも感じられる台詞の素晴らしさ、ほぼ全作品に通じる極端な台詞の少なさと余計な動きを排除した画。慣れる迄に少し時間を要する人も居るかもしれないけど個人的には抵抗無くスッと受け入れられた。そうそう、それから音楽の使い方、挿入されてる楽曲も素晴らしかったなぁ…これもスッと入れた大きなポイントのひとつかもしれない。最新作から遡る形で観ていったのでカティ・オウティネンが少しずつ若返っていく感覚も新鮮だったし、なによりマッティ・ペロンパーの魅力が素晴らしかった。日本人にはまず居ないであろうこの二人の俳優の名前は覚えるのに少し時間がかかった。今回「街のあかり」は観なかったけど「ル・アーヴル」を観直したのでトータル16本観た中で最高だったのが、この辺りだろうな〜。
*以下、いつものようにトレイラーを挿入しようとしたけどウマくいかなかったので、このまま。そもそも日本語字幕のついたトレーラーは新しい作品のものしか見当たらない。*
パラダイスの夕暮れ
これ、最高+最高。「スモール・ポテイトス」。この上なくロマンティック(→滅多に使わない言葉だけど、これ以外に考えつかず)。エンディングに流れる曲の歌詞、素晴らしい。
愛しのタチアナ
愛おしさと可笑しさが全編に溢れる。ユーモアという切り口ではこれが最高かもしれない。この作品を観た後にマッティ・ペロンパーが若くして亡くなったことを知り、グッと切なくなった。「世の中は厳しい」「ロッカーは長生き出来ない」だったかなぁ…作中では笑うべき愛おしいシーンだったけど現実と繋がってしまうと切ない。
「過去のない男」
クオリティ的には、この映画が一番かもしれない。ストーリー展開から映像から非の打ち所が無いのでは?
「コンタクト・キラー」
あとこれ…ジョー・ストラマーが歌ってるし!!バックにはエルビスだし!!
他の作品もよかったな〜。タイトルを頭に浮かんだ順に羅列すると…「真夜中の虹」「浮き雲」「白い花びら」「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」「ラヴィ・ド・ボエーム」「マッチ工場の少女」「カラマリ・ユニオン」「罪と罰」ちょっと別枠として「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」「トータル・バラライカ・ショー」←これはコンサートの記録映画、レニングラード・カウボーイズと旧ソ連退役軍人によって構成されるアレクサンドル・レッドアーミー・アンサンブルとの共演ということですがスゴい迫力。
赤字は2回観た作品。#36〜2/31/3
こうしてズラーッと観た中で「コンタクト・キラー」「ラヴィ・ド・ボエーム」に出ていたジャン=ピエール・レオに引っ掛かり、次はトリュフォーいってみっか〜!って流れに。
追記:「ル・アーヴルの靴みがき」に収録されていたマルセル役主演俳優のインタビューで作中コンテナに隠れて入国する人々の服装、身なりについて監督が話した内容を聞き「あぁこの監督はわかっているんだなぁ」と、いたく心を動かされた。